about

lexicographers

literature

news

SCROLL
00
01

英和辞典の作り手たちの物語

Professional life histories of lexicographers
英和辞典の作り手たちの物語

恩師、竹林滋先生(東京外国語大学名誉教授)が研究社の代表的
な英語辞書の数々に中心となって携わっていらした頃は、編者は
印税で家が建てられる、という時代でした。1970年代から80年
代、90年代の前半まででしょうか。

1つのブランドからレベル別に複数の辞書が
展開されるようにもなりました。
2000年前後には、英語辞書を作っていなかった出版社も
市場に参入し、学習英和辞典の市場は活性を極めました。

1990年代は、EFL辞書も百花繚乱の時代でした。1995年には
Big 4 と呼ばれた Oxford Advanced Learner’s Dictionary,
5th ed., Longman Dictionary of Contemporary English, 3rd.,

Collins COBUILD English Dictionary, 2nd ed., Cambridge
International Dictionary of English が同年に出版され話題を
さらいました。

そこから時代はものすごい速さで移り変わって行きます。
紙の辞書は電子辞書に取って代わられ、電子辞書もスマートフォンに取って
代わられていきます。

紙の辞書が売れなくなると、担当する辞書部は当然縮小されることになります。
2022年現在、紙という媒体で学習英和辞典を出版し続けることはかなり
厳しくなっています。

しかし、たとえ「紙の」辞書が廃れてしまっても「このことばの意味は?」
という問いに簡潔に答える、という必要性は、この先も失われるものでは
ないと思うーと『広辞苑』の編集者である平木靖成氏が仰っていました
(2019年5月25日開催広辞苑大学にて)。

ことばの意味をひとことで説明する需要がなくならない限り辞書は必要。
英和辞典にも同じようなことが言える。
けれども、このままだと編集者たちの脳内にある辞書編纂の叡智が
失われてしまう。記録を残したい。そう考えてこのプロジェクト
を立ち上げました。

また、斎藤秀三郎や勝俣銓吉郎といった一人で辞書を作り上げた偉人たちの
記録があるように、辞書がチームで編まれるようになった時代に、
日本における英語辞書の発展、辞書の編纂技術の向上に大きく寄与してこられた
編集者や編者、執筆者の足跡も残したいと思いました。

そして、実際にインタヴューを始めてみると、編纂者たちそれぞれの物語は
「学習英和辞典編纂の発達史」を超えて、昭和史、平成史を映し出すものでした。
山口ミルコ氏が、自らの編集者としての人生を軸とし、同時代を生きた他業種の
女性へのインタヴューを織り込みながら、バブル期とその後の時代を描いた
『バブル』(2021年、光文社)を読んだ時に、(僭越ながら)同じだ!
と思いました。きちんと描いていけるかどうかは、もちろん私の
能力次第なのですが。

インタヴューにご協力くださったみなさまの物語は多様で、
なのにどこかで共通していて、これを独り占めにするのは犯罪に等しいと
思うくらいに興味深いものです。
その貴重さをうまく伝えることができていないとしたら、
それはひとえに私の力不足です。

お話を聞かせてくださったみなさまには心より感謝申し上げます。
また、これからもより多くの方のお話を伺えることを楽しみにしています。

+MORE

02

Lexicographers

編纂者インタビュー
03

About

研究について
編纂者の声を届ける

編纂者の声を届ける

科学研究費助成事業基盤研究(C)「学習英和辞書編纂の
発達史:外国語辞書編集者へのインタビュー調査」の
研究成果を各編纂者のQ&A式インタービュー記事とし
てウェブサイトにて掲載・発信しているサイトです。

詳しくはこちら
04

News

おしらせ